ロマンス小説を読む日記

翻訳ロマンスやティーンズラブなどの女性向けロマンス小説をひたすら紹介しています

今日の一冊(99)「氷の令嬢」が見つけた本当の愛情

誠実な没落貴族は氷の令嬢との契約結婚を受け入れる(こはく文庫)

誠実な没落貴族は氷の令嬢との契約結婚を受け入れる (こはく文庫)

 

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濃さ

 

・著者:黒田美優

・イラスト:まりきち

・あらすじ:大富豪の娘アメルは、近づいてくる男性たちを冷たくあしらっているために陰で「氷の令嬢」と呼ばれていた。兄には結婚を急かされているが、アメル自身は両親の仲が悪かったこともあり結婚に気が進まない。兄から見合いを押し付けられそうになったアメルは、形だけの結婚を受け入れてくれる相手を探すために貴族のパーティに出席する。
パーティでアメルはヴァン・スチュワートという伯爵に声をかけられる。アメルはヴァンと話すうちに彼の朴訥な人柄に惹かれる。素性を調べたところ、ヴァンは経営する会社の資金繰りに困っており、資産家の娘であるアメルとの結婚を望んでいるらしい。うってつけの結婚相手を見つけたアメルはヴァンに契約結婚を持ちかける。

・注目ポイント:ヒーローの苦労人度★★★★★

物語の穏やか度★★★★★

起伏が小さく穏やかに進む物語。契約結婚から本当に心が通い合った夫婦になるという王道のテーマがコンパクトに語られている。

今日の一冊(98)純情一途な騎士に見初められて

新婚騎士夫婦の一途な純愛~初心な蜜月の憂い事~(夢中文庫プランセ)

新婚騎士夫婦の一途な純愛~初心な蜜月の憂い事~ (夢中文庫プランセ)

 

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・著者:逢矢沙希

・イラスト:蜂不二子

・あらすじ:バークレイ男爵家は財政状況が悪く、娘のウルリカは身売り同然で金持ちの商人と結婚することになった。結婚の直前、国王からの呼び出しを受けて王城に赴いたところ、平民出身の騎士アレスと引き合わされる。アレスは先の戦で目覚ましい功績を上げたことから男爵の位を与えられていた。国王はアレスへのさらなる褒美として貴族の娘との結婚を考えており、その白羽の矢が立ったのがウルリカだという。
ウルリカはある事件で背中に大きな傷を負っており、そのことをアレスに打ち明けるが、彼はまったく気にせず、自分と結婚してほしいと言う。優しく誠実なアレスに惹かれたウルリカは彼の求婚を受け入れ、二人は夫婦としての新たな生活を始めた。

・注目ポイント:ヒーローの純情度★★★★★★★★

新婚夫婦のかわいらしさ度★★★★★

お互いを思いやりながら心を通わせていく二人がとにかくほほえましい。武勲を上げた騎士というと勇猛果敢でストイックな人物を想像するけれど、このヒーローは優しくて純情そのもので好感が持てる。 

今日の一冊(97)「従僕クラブ」計画の行方

従僕と伯爵と私(ラズベリーブックス)

従僕と伯爵と私 (ラズベリーブックス)

 

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・著者:ヴァレリー・ボウマン

・訳者:旦紀子

・あらすじ:伯爵のルーカスは財産や爵位目当てに近づいてくる貴族の娘とその母たちにうんざりしていた。彼は自分自身を愛してくれる誠実な女性を探すため、使用人に扮してパーティに潜り込む「従僕クラブ」という計画を友人三人と立てる。
従僕として働くルーカスが興味を持ったのは男爵令嬢のフランシス。彼女は結婚にも財産にも興味がなく、貧しい人々が不利になる法律に反対するための活動に夢中になっていた。
彼とフランシスは熱烈な恋に落ちるが、彼女が好きになったのはあくまで従僕のルーカス。ルーカスは自分が伯爵だとどうやって打ち明けるかを悩む。

・注目ポイント:ヒロインの型破り度★★★★

ヒーローの親友がナイスガイ度★★★★★

他の貴族の娘たちとまったく違う価値観を持ち、自分の信念に従って行動するヒロインが爽快で、ヒーローが惹かれたのもうなずける。ヒーローとヒロインが決別しそうになった時、助けに入る親友のベルも頼もしくて魅力的。 

今日の一冊(96)身代わりのはずなのに

身代わりからの執着溺愛 ~御曹司は偽りの花嫁を淫らに啼かせる~(濃蜜ラブルージュ

身代わりからの執着溺愛 ~御曹司は偽りの花嫁を淫らに啼かせる~ (濃蜜ラブルージュ)

 

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・著者:華藤りえ

・イラスト:氷堂れん

・あらすじ:五歳の時に母を亡くした紗衣は、継母から長年虐められて使用人同然の扱いを受けていた。紗衣は体調を崩したところを助けてくれた千織に恋をするが、彼は名家の御曹司で、義理の妹の婚約者だった。
千織と妹は結婚式の日を迎えるが、直前に妹が失踪してしまい、両家の体面を守るために紗衣がその場限りの代役を務めることになる。紗衣は式の間だけの身代わりだと思っていたのに、千織は正式に紗衣との婚姻届を提出したという。

・注目ポイント:王道シンデレラもの度★★★

過去が過酷度★★★★★

使用人扱いからセレブの妻へと転身というと華やかなものを想像するけれど、ヒロインが過去のくびきからなかなか逃れられないのが見ていてつらい。ヒーローの子ども時代も過酷。二人が本当に幸せを掴めるのか最後までハラハラした。

今日の一冊(95)令嬢の冒険の旅

気高き鷹に導かれて ~白夜の令嬢と蒼空の英雄~(ロマンスヒルズコレクション

気高き鷹に導かれて: 白夜の令嬢と蒼空の英雄 (ロマンスヒルズコレクション)

 

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・著者:アドウマドカ

・あらすじ:ロシアの地方領主の娘ミロスラーヴァは、殺人鬼と噂される貴族との結婚を父親に決められたことに憤り、家出を決意する。ちょうどその時、遊牧民バエケゾフ族の一団が屋敷を訪れ、族長のムラートがミロスラーヴァと結婚したいと父親に申し出た。ミロスラーヴァは騒ぎに乗じて領地から脱出しようと愛馬に乗って駆け出した。
ムラートの援護でミロスラーヴァは追っ手から逃れ、バエケゾフ族の集落にたどり着く。行くあてのないミロスラーヴァは彼らの遊牧の旅に「族長の花嫁」として加わることになった。

・注目ポイント:ヒーローの鷹揚度★★★★

遊牧生活にわくわく度★★★★★

勇敢なヒロインを優しく迎え入れるヒーローが魅力的。ヒロインの目を通して見る遊牧生活は彩り鮮やかで温かさに満ちている。

 

今日の一冊(94)二人の姫の恋と悩みと

リセアネ姫と亡国の侍女(フェアリーキス)

リセアネ姫と亡国の侍女【SS付】【イラスト付】 (フェアリーキス)

 

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・著者:ナツ

・イラスト:山下ナナオ

・あらすじ:ファインツゲルト皇国はフェンドル国やサリアーデ国との戦いに敗れて滅亡。皇女パトリシアも処刑される寸前だったが、サリアーデ国の王太子クロードによって秘密裏に助け出され、サリアーデ国に亡命する。やがてパトリシアはクロードと愛し合うようになるが、皇女という身分を失った自分はクロードとは身分が違うため結ばれることはないと諦めていた。
フェンドル国の王グレアムはパトリシアが生き延びたことを知り、彼女を見逃す代償としてクロードの妹リセアネを正妃として娶りたいと申し出た。リセアネはパトリシアを侍女として伴いフェンドル国へ輿入れする。パトリシアとクロードの気持ちを知るリセアネは、パトリシアの身分を回復するため一計を案じる。一方でリセアネ自身はグレアムから子供扱いされて憤っていた。

・注目ポイント:ダブルヒロインで読み応えたっぷり度★★★★★

政略結婚に年の差、身分違いなどなど要素てんこもり度★★★★★★★★

リセアネとパトリシアのダブルヒロインで物語は進む。二人とも一見お姫様然としているけれど芯が強い。前作でも大きな存在感を放っていたリセアネが大胆で機知に富んでいて魅力的。

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前作「ナタリア姫と忠実な騎士」の記事はこちら。ヒロインのナタリアはクロードの妹でリセアネの姉。こちらは幼なじみとのじれじれすれ違い両片思いです。

yanetan.hateblo.jp

 

今日の一冊(93)美しすぎる兄妹を持ったヒロインの悩み

ナタリア姫と忠実な騎士(フェアリーキス)

ナタリア姫と忠実な騎士【SS付】【イラスト付】 (フェアリーキス)

 

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・著者:ナツ

・イラスト:山下ナナオ

・あらすじ:サリアーデ王国の王女ナタリアは、輝くような美貌の兄や妹に比べて平凡な容姿であることに劣等感を持っている。そのことで泣いていた幼い日のナタリアを助けてくれた少年が公爵子息のエドワルドだった。

ナタリアはその時からずっと彼のことを想っており、エドワルドもまたナタリアを愛していたが、お互いに相手の気持ちは自分にはないと思い込んですれ違うばかり。やがて十六歳の誕生日を迎えたナタリアには他国の王子との縁談が持ち上がるようになる。

・注目ポイント:ヒーローの一途度★★★★★

兄妹のヒロイン大好き度★★★★★★★★★★

自分に自信が持てないヒロインと生真面目で口下手なヒーローが何度もすれ違う様子にやきもき。悪人やライバルはほぼいないけれど、ヒロインの劣等感が最大にして最強の難関である。ヒロインを深く愛する家族の攻略も一筋縄ではいかない。

ちなみに侍女のマアサとエドワルドの友人フィンのすれ違い恋模様もあり。

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兄と妹を主役にした続編があるので次回はそちらを紹介します。