今日の一冊(92)枷から自由になって
若き覇王は亡国の王女にかしずく(ロイヤルキス)
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・著者:泉野ジュール
・イラスト:八美☆わん
・あらすじ:サバン王国の王女リアは、国王である兄に諫言したことで彼の怒りを買い、地下牢に幽閉されていた。兄が敵国カリアーノによって討たれたことでリアは解放される。自分が処刑されるのは仕方ない、だが臣下だけは助けてほしいと懇願するリア。カリアーノ国王のオルガートはリアの訴えに胸を打たれ、彼女を自国に連れて帰る。
長年の幽閉生活で心身を痛めつけられてきたリアはオルガートの保護の元で健康を少しずつ取り戻していく。二人はお互いに惹かれあっていくが、リアは兄から繰り返し吹き込まれた『お前は醜く、誰からも求められない』という言葉に囚われて前に進めないでいた。
・注目ポイント:王道度★★★★★
ヒロインの心の成長度★★★★★
苛烈な経験をしたヒロインが心の傷を乗り越えていく過程が丁寧に描かれている。ヒーローは「征服王」という二つ名だけど態度はあまあま。クライマックス以外はかなり穏やかに進む。骨太さを感じる文章。
今日の一冊(91)異世界へちょっと婚活に
異世界婚活!~アラサーOLは美形魔導士に深く激しく求められる~(ムーンドロップス)
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・著者:葉月クロル
・イラスト:SHABON
・あらすじ:アラサーの梨杏は結婚願望があるのになぜか恋愛に縁がない。周りの女性が次々と結婚を決めていくのに焦っていた矢先、不思議な雰囲気の老婦人から声を掛けられる。彼女は独身の男女の縁を結ぶマッチメーカーをしているという。
紹介された男性は銀の髪にエメラルドの瞳、今までに見たことがないような美青年。ススイヴェダル国のアシュバルというその男性は、実は地球とは異世界に住む魔導士だった。
・注目ポイント:賑やかラブコメ度 ★★★★★
ヒーローのチート度★★★★★
悪人もライバルもいないので平穏なはずなのに、心の声と突っ込みとでとにかく賑やか。どんな疑問も心配事も、最強の魔導士たるヒーローとそれ以上にチートな脇役が片っ端から片付けてくれるから大丈夫とはいえ、ヒロインの適応力の高さもかなりのものである。
今日の一冊(90)魔法学院へようこそ
愛しい人の幸せのため、悪役だって全力で頑張ります!(フェアリーキスピュア)
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・著者:鬼頭香月
・イラスト:八美☆わん
・あらすじ:魔法学院に通うエミーリアは、2歳年上の幼なじみ・テオバルトに長年想いを寄せている。恋占いで彼とのことを尋ねたところ、結果は最悪のものだった。
「テオバルトには運命の相手がいる。相手は金色の髪に青い瞳を持つ異国の娘。エミーリアは娘に嫉妬して、数々の嫌がらせをする。だが誰も二人を引き裂くことはできない」
占いを信じたエミーリアは自分の想いを吹っ切るためにテオバルトに告白するが、返事はまさかのOK。喜んでいたのもつかの間、恋占いの通り金髪碧眼の容姿をした隣国の王女ブリジットが魔法学院に編入してきた。愛するテオバルトの正しい未来を奪ってはいけない――エミーリアは、占い通りの出来事を起こすため、ブリジットに嫌がらせをする悪女になることを決心した。
・注目ポイント:学園生活が楽しそう度★★★
魔法や不思議なアイテムにわくわく度 ★★★★★
舞台や設定は某魔法学校物語を彷彿とさせる。ラブシーンはほとんどないが、ヒーローの甘さは抜群。ヒロインの秘密と恋愛模様が並行して描かれ、クライマックスで両方の謎が明かされる。「星の精霊祭り」や「水の庭園」などこの世界ならではの風景の描写がとても美しい。
今日の一冊(89)心の氷をとかす人
完璧一途な彼の溺愛にとかされまして(夢中文庫クリスタル)
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・著者:北野ふゆ
・イラスト:ささおかえり
・あらすじ:セレクトショップの店長を務める千穂は仕事では充実した日々を送っていたが、恋人だと思っていた相手に手ひどく裏切られた過去があり、恋愛には臆病になっていた。
ある日、新しい担当者として本社から来た宮葉と出会う。真面目で有能な宮葉に千穂は好感を持つが、あくまでも仕事相手としての感情だと線引きをする。しかし宮葉は彼女のことが好きだと告白し、プライベートな付き合いをしたいと提案してきた。知り合ったばかりなのになぜ? と千穂は疑問に思う。
・注目ポイント:お仕事もの度★★★
ひたすら穏やか度 ★★★★★★★★★★
過去の恋愛で傷ついたヒロインが実直なスパダリに一途にアプローチされる物語。平穏に進んでいると絶対何かある!波乱があるに違いない!と思ってハラハラしちゃう人も大丈夫、最初から最後までとにかく穏やか。
今日の一冊(88)守られてばかりの姫君じゃない
姫君は新王の執愛に包まれる(ロイヤルキス文庫)
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・著者:早瀬響子
・イラスト:上原た壱
・あらすじ:ゼーラントの王女テレジアは幼い頃、異国の少年リヒャルトと知り合い仲良くなったが、大人たちに無理やり引き離されてしまう。リヒャルトは人質としてゼーラントに連れてこられていた隣国ラインラントの王子だった。その後リヒャルトは臣下の助けでゼーラントを脱出した。
それから数年後、ゼーラントはラインラントの侵攻を受ける。テレジアは国王を逃がすための時間稼ぎとして王宮に残り、ラインラント国王となったリヒャルトに再会する。リヒャルトはゼーラント国王の居場所を教えるようテレジアに命令するが、彼女は国を守るためなら自分はどうなっても構わないと言って譲らない。リヒャルトは彼女の口を割らせようと強引な手段を取る。
・注目ポイント:戦闘シーンの描写度★★★★
ヒーローの嫉妬深さ度 ★★★★★★★
国民のために王族としての役割を果たそうと行動するヒロイン。物語中盤での彼女の奮闘に胸が躍る。戦闘シーンがけっこう多く、冒険活劇の趣もあり読み応え十分。それにしてもヒーローは嫉妬しすぎ!
今日の一冊(87)剣を振るう王女
政略結婚 ~金髪の姫将軍は元敵国の好敵手に嫁ぐ~(DIANA文庫)
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・著者:羽鳥紘
・イラスト:白皙
・あらすじ:剣の王国アルデリーアと魔法王国ゼルジオスの戦いの中、アルデリーアの王女レオーネは、ドレスではなく甲冑に身を包み剣を握って戦場を駆け回っていた。レオーネは何度も剣を交えた敵将のベルトルドに一目置いていた。
二国の対立はある日突然終わりを迎えた。ゼルジオスは魔力の暴走で王都が壊滅し、幼い王太子だけが残されたという。将軍ベルトルドは滅亡寸前の祖国を守るため、アルデリーアに助力を求めてきた。レオーネの父王は二国の縁を結ぶべく、彼女とベルトルドの政略結婚を決める。
・注目ポイント:剣と魔法のファンタジー度 ★★★
もっと読みたい度★★★★★
共に生真面目なヒーローとヒロインが徐々に心を通わせる過程がなんとももどかしい。甘いシーンはほとんどなし。糖度が増した続編があったらぜひ読みたい。
今日の一冊(86)人質として嫁いだ先で待っていたのは
軍神王と人質花嫁 ~甘い口づけは蜜愛の予感~(蜜猫文庫)
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・著者:山野辺りり
・イラスト:サマミヤアカザ
・あらすじ:長年争ってきたヴェルダニアとナルテユスの二国。停戦に伴い、ヴェルダニアの王女ルシアはナルテユス国王ダライアスに嫁ぐことになる。表向きには両国の友好関係を結ぶための婚姻だが、その実、王女はナルテユスに差し出される人質だった。
停戦したとはいえ未だ緊張状態にある両国。どんなひどい扱いを受けるかと怯えるルシアは、ナルテユスで歓待されて驚く。さらにダライアスからは王女がルシアだから縁談を受けたと言われる。
妾腹の子で後ろ盾もなく、ヴェルダニアでは『いらない王女』と軽んぜられてきたルシアは、急激に立場が変わったことに戸惑う。
・注目ポイント:ヒロインの自信のなさ度 ★★★★★★★★
二人の会話の絶妙な噛み合わなさ度★★★
ヒーローがヒロインをひたすら溺愛する甘々な話かなと読んでいたら、思わぬところにライバルがいて驚いた。ヒーローとライバルのヒロインへの執着ぶりはソーニャ文庫に近い。